ばなな、アロエ、わたしの本
吉本ばなな。今まで特にいいなと思ったことがなかったのだけど、「体は
全部知っている」はおもしろかった。短編集。エッセイみたいな感じがする小説。
吉本ばなながそれほど好きでないのは、読んでいて「物語の波に飲まれる興奮」
がなかったから。(わたしはそういう本が好きなので。)
それが「エッセイみたいな感じ」なのね、きっと。
短編はよかったです。言いたいことがよくわかった。直接的なメッセージ。
いさぎよい感じで、読んでいて気持ちがよかったです。
アロエの話が好き。わたしも、アロエという植物は、人間と通じ合うことが可能
な植物という気がする。かわいくもあり、不気味でもある。
この本、装画がとってもいい。合田ノブヨという人の絵。
わたしは別に作家志望ではないのですが、「吉本ばななは、いつも宝物みたいな
装幀の本を作ってもらっていいなー」と嫉妬する気持ちがあります。
わたしも自分の本を作ってもらえたら幸せだろうな。
大好きな中川いさみ先生やあずまきよひこ先生に表紙の絵を描いてほしい。
やかんを頭に乗せてマスクをしている目つきの鋭い少年(中川いさみ)、とか
コアラやパンダにわらわらとかこまれているわたし(あずまきよひこ)、とか。
・・・どういう本だ、それは。